マサル部屋からの更新は、これで最後になるのかな。
昨日、松坂に帰らなければいけなくなったかほりさんに代わって、付き添い泊まりをする為にイベント用のパンを半日前倒しで焼いた。
病院から夜10時半に家に帰って、午前3時なんて時間に仕込みをして。
今の私がこんなにがんばって予定を作るのには、それなりに、理由があった。
余命宣告をしたことのなかった、主治医の先生からの現実の言葉。
「これからは家族の誰かが、ずっと付き添ってあげてください。」
私は血は繋がってないけど、毎日マサルさんを見て来たから、かほりさんは私にその夜を預けてくれた。
そして幸いにも東京からマサルさんの実の妹のじゅんこさんも駆けつけてくれて、一緒に付き添ってくれた。
そして昨夜の夜はほとんど寝られなかった。じゅんこさんがいてくれたから、思っていたよりは休めたけど。
それよりも、マサルさんはここ二、三日、ちゃんと眠れていない。
意識と、呼吸と、時々時計を止める様に、真っ白になる瞬間がある。
それは、日を追うごとに、今は、刻一刻と、確実に増え続けている。
今日の午前中、言われた言葉。
「もしかしたら今夜、長くても48時間は無いと思っていて。」
かほりさんはそれを、今まで何度も検査の結果を聞いて来た時の様に、いつも通りに受け止めた。
「はい。」
それは、私も同じだった。
数人の友人に連絡を入れた。かほりさんも同じ様にしていたんだと思う。
じゅんこさんは、亀山から嫌がるご両親を呼び寄せてくれた。
ミッキーも、学校を早退してやってきた。
入れ代わり立ち代わり、訪れる仲間たち。
数えてはいないけど、たぶん今日だけで50人くらいは来ていただろうか。
そしてここに来れなくても、祈りを届けてくれる友人たちも多数。
こんなにあったかい病室があるんだろうか。
今、こんな状況でも、笑いがあって、音楽があって、その真ん中に、意識が朦朧とする中で、体いっぱいで喜びを表現しようとするマサルさんがいる。
やっぱりここは月の庭だ。
マサルさんという月に導かれる沢山の人たちが、今のマサルさんにパワーを送る。
すると、時々ふっと意識を戻して、周りに笑いを振りまくんだ。ベッドの上で、もう何も出来ないのに、マサルさんは。
ご飯が食べられなくなって、やせて、歩けなくなって、内蔵も少しずつ動かなくなって、意識もどんどん遠くなって、ここにいる時間がどんどん少なくなっていきます。
でもマサルさんは、まるでふくれた風船の様に、ぱちんと弾けるのを待っているようでもあります。
今、行っていいのか、朦朧とする意識の中でずっと揺れ動いていたけど、もう、いいよ。お疲れさま。すごくすごく、がんばってくれてありがとう。
私たちの為に、生きようとしてくれてありがとう。
マサルさんは、もうすぐ息をするのを忘れます。
それは、昔から決められた順番通りに。
こんな時間が、こんなにあったかいよ。マサルさん。
この部屋で、マサルさんの隣で、話ししながら編み物できなくなるのはさみしいけど、そんで、これからどんなに寂しくなるのか、全然想像できないけど、大好きだよ。
今日、何回も何回も言ったね。
「今日も大好きやよ!マサルさん!」
マサルさんは朦朧としていても、
「おーーーーーー!!」って応えてくれた。
でもその後に、
「俺はかほりが大好きやーーーーー!」って(笑)
そんなのみんなが知ってるよ、マサルさん。
これを読んでくれた皆さんへ。
今夜から明日にかけて、どこかの瞬間で、この世界でのマサルさんとはお別れすることになると思います。
周りで過ごした私たちは、いつだって幸せで、今だって幸せで、きっとこれからだってずっと幸せです。それはきっとマサルさんも。
今も、マサルさんは生きています。
マサルさんは、いつだってマサルさんらしく。
そんな祈りを、どんなに遠くにいても、その場所で、一緒に届けてもらえたらうれしいです。
マサルさんが解き放たれる瞬間に、きっとそれは繋がります。そしてそれはこれからも、私たちがずっと繋いでいくんです。
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